ヒスイの由来は鳥のカワセミです。


パワーストーンでは翡翠(ヒスイ)をジェード呼んで、硬玉と柔玉の2種類に分かれる事で有名です。硬玉(本翡翠・ジェダイト)は忍耐、調和、飛躍のパワーストーンで、古来より『あらゆる成功と繁栄』を象徴してきました。

柔玉(ネフライト)は『知恵と安らぎ』の象徴。東洋では古来より『人生の成功と繁栄』を象徴してきました。ストーンの持つ力は、硬玉と近いですが、こちらは内面・精神に向ける要素が大きいパワーストーン。姿形が似ており、まとめてジェードと呼ばれていますが、実際には違う鉱物です。

古来より、日本ではヒスイは硬玉の事を指し、翡翠玉(ひすいだま)と呼ばれていました。元来、翡翠とは鳥のカワセミの事です。漢字の翡翠でヒスイ、カワセミどちらとも読めます。「翡」は赤色、「翠」は緑色、もえぎ色を意味し、カワセミの緑色の羽と、赤いお腹を指し名付けられました。また「翡」はオス、「翠」はメスを表していると言われています。これはオスの方が胸の赤みが強いからだそうです。

翡翠(カワセミ)の画像

ちなみに、「翡翠」はショウビンとも読めます。ショウビンはカワセミの古語です。火の鳥の異名を持つ渡り鳥、赤翡翠(アカショウビン)はカワセミの仲間。「翡」はアカショウビンとの説もあります。

古語の変化した順番は、ソニソビショウビショウビンです。
カワセミの「セミ」の方は、ソニショニソナセナセミといった具合に変化しました。

カワセミは漢字で川蝉とも書きますが、昆虫のセミとは全く関係ありません。「ショウビン」と「セミ」の元になった言葉「ソニ」の「ニ」は土を意味します。、「アカニ」は「赤土」、「ハニ」は「黄土」、「アオニ」は「青土」、「シラニ」は「白土」、を現わしています。ハニワ(埴輪)の「ハニ」は黄土の事だったんですね。

その一方、紀元700年前半、藤原氏の「賦役令」(ぶやくりょう:税金などの取り決め事項)という書物に、「青土」に「ソニ」という読み仮名が添えてありました。これは絵具用の青い土のことを指していました。ですから「ソニ」はカワセミの美しい羽を形容した言葉だと思われます。「アオニ」(青土)とは違った色合いのため、「ソニ」と表記したのでしょう。

他にも、カワセミは川に住んでおり、背中が美しいので「河背美」といった説や、魚を捕るために河の瀬を見ている鳥なので「河瀬見」といった説があります。

パワーストーンの翡翠(ヒスイ)は、この翡翠鳥(ソニドリ:カワセミ)から貰った名前です。ヒスイ一つとっても、名前の奥にこんなにも歴史と意味が隠れているなんて、何だかとても素敵ですね。

Kストーン代表 上里知弘