地球の誕生

最初に太陽が生まれた(地球成長0%)

太陽が誕生したのは46億年前。地球が誕生したのとほぼ同時期です。まず最初に、宇宙に漂っている塵やガス(星間物質)が集まり、太陽の赤ちゃんである原始太陽が生まれました。

原始太陽は引力で、周りの星間物質を次々と引き込みます。その一方で原始太陽との距離があるため、引力の影響を受けながらも、原始太陽に引き込まれない星間物質もありました。引力影響で原始太陽から離れる事ができない星間物質は、原始太陽の周りをグルグルと回り始めました。そして星間物質同士で衝突を繰り返しながら集まり、沢山の微惑星を形成しました。

さらに時が経つと、微惑星同士も衝突し、一つにまとまり小惑星を。小惑星同士が衝突し、惑星を形成しました。結果、太陽系は太陽を中心とする8つの惑星と、30万を超える小惑星の天体集団になりました。地球はその惑星の一つです。

詳しくはこちらの記事に書きました。太陽系の誕生

 地球は丸くなかった(地球成長3%)

直径1万2000㎞。地球が現在の大きさに成長するまで、約1億年かかったと言われています。46億年前、原始太陽の引力で集まった星間物質は、次々と衝突を繰り返していきました。直径10㎞程の天体が出来るのに、約1億もの隕石や微惑星が衝突したと言われています。

地球の“元”もその中の一つでした。直径300㎞。現在の3%くらいに成長した初期の地球は、引力が弱いため丸くはなく、いびつな形をしていました。

 大気の誕生(地球成長25%)

直径3000km(現在の25%)まで成長すると、原始地球の形はだいぶ丸くなってきました。ちょうど今の月と同じくらいの大きさです(月の直径は3,474㎞)。このころ地上では衝突脱ガスという現象が起きるようになりました

衝突脱ガスとは、微惑星(隕石)が惑星に衝突する際に、中に含まれている水や二酸化炭素、窒素が蒸発し、放出される現象のことです。脱ガスした気体は原始地球上に広がり、大気を形成しました。この頃の大気は、水蒸気を主成分とし、二酸化炭素や一酸化炭素、窒素含んでいました。

ちなみに酸素は存在しません。酸素は酸化力が非常に強いため、他の物質と結合して二酸化炭素や岩石になってしまうからです。「酸化」とは相手の物質から電子を奪う事です。したがって「酸化力が強い」とは、「相手の物質から電子を奪う力が強い」という事です。つまり酸素は他の物質と反応しやすい元素なので、単体で存在を維持する事が難しいのです。

 地球は熱かった!!(地球成長40%)

現在の40%程度(直径5000km)になると、地表温度は1200度以上もありました。現代の地球では考えられない高温です。何故こんなにも高温だったのでしょうか?その理由は隕石にあります。

原始地球に大気ができても、周りにはまだまだ沢山の微惑星が存在していました。微惑星は、地球の引力に引き寄せられ、次々と地球に落ちていきました。落ちながら、どんどん加速していき、その速度は遂に超音速に達します。

音速を超えた微惑星は、大気とぶつかり空気抵抗を起こし、衝撃波を発生させました。すると落下の運動エネルギーは一気に熱に変わります。隕石の衝突エネルギーと、水蒸気による大気の保温効果で、地表の温度は上昇し始めました。

 マグマが発生した事で核が出来ました(地球成長50%)

微惑星が降れば降るほど原始地球は質量を増し、それに伴って重力も強くなりました。微惑星の衝突速度も速くなっていきます。

現在の地球の半分(直径6000㎞)まで成長したとき、高温は岩石を溶かし、地表はマグマの海と化しました。いわゆる「マグマ・オーシャン」です。

岩石は800〜1300度の高温になると、溶けて液体になります。マグマ・オーシャンができたことにより、重い(密度の大きい)金属鉄はずぶずぶと地球の中心部へと沈んでいきます。こうして地球の核が作られました

 火星大の原始惑星が衝突(地球成長90%)

地球の中心部は、金属が主成分の核で出来ており、岩石であるマントルが核を包み込む形になっています。核とマントルの分離が終了する頃、原始地球は現在の地球とほぼ同じ大きさに成長しました。地球の完成まであと少しです。

地表はマグマ・オーシャンに覆われおり、大気は数百もの気圧覆われていました。上層300kmでは水蒸気が雲となり、雨が降っていました。しかしその雨は地上に降る事はありません。地表が高温だったため、地表に届く前に蒸発してしまうのです。

それでは、地表には全く雨が届かなかったのかというと、そうではありません。時間の経過と共に地表温度が下がると、地表まで雨が降り無数の小さな海が形成されました。しかし微惑星が落下するたびに、地表はマグマ・オーシャン化する。その繰り返しでした。

そんな時、原始地球に近づく大きな影がありました。火星大の大きさの原始惑星です。火星の直径は約6800km。地球の半分くらいの大きさです。

そんな巨大な原始惑星が、斜めに地球に衝突しました。これをジャイアント・インパクトと呼びます。斜めからの衝突のお陰で、地球は現在の様な回転の勢いを得たと考えられています。衝突の衝撃は凄まじく、溶けた岩石が宇宙空間に飛び散りました。それらは一つに集まり月となりました。

実際のところ、地球の核とマントルの分離が、ジャイアント・インパクトの前に終了していたかは解明されていません。しかし分離が終わっていなかったとしても、ジャイアント・インパクトにより地表の温度は1500度まで上昇し、地表のマグマ・オーシャン化が進みました。その結果、核とマントルの分離は効率的になったと考えられています。

鉄やニッケル、白金、イリジウムはマグマ・オーシャンの中で沈み、中心部の核に集まりました。また岩石と馴染みやすいナトリウム、アルミニウム、ケイ素、塩素、カリウムなどの元素や、チタン、クロム、ウランなどの金属はマントルや地殻に多く残りました。

雨が降り海が出来た(地球成長99%~)

原始地球の温度が高いのは、微惑星の落下エネルギーに因るものでした。しかし、微惑星の数にも限りがあります。やがて微惑星の衝突がおさまると、地球全体の温度が低下しはじめます。

温度が下がったお陰で、雨は途中で蒸発することなく地表に届くようになりました。雨はマグマ・オーシャンを冷やし、地表を固めていきました。こうして数百年から千年足らずで原始海洋ができました。

この頃の雨は、塩化水素や亜硫酸を含むため、強い酸性雨でした。酸性雨は岩石に含まれるナトリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄など多くの鉱物を溶かし海に運びます。その結果、海は地球上のほとんどの元素を宿します。そして海は多くの命を生み出す源泉となったのです。

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