宇宙の誕生


 

 人間とパワーストーンの物質的な違い

人間は生物、パワーストーンは鉱物ですね。物質的に分解すると両者の違いは、原子どうしの結合の仕方が違うだけです。さらに、原子を分解すると陽子、中性子、電子に分ける事が出来ます。ということは、人間もパワーストーンも物質的には材料は同じという事になります。それでは、この原子とはどの様にして生まれたのか?今回はそれを探って行きたいと思います。

元素記号、学生時代のおさらい♪

元素の周期表

まず学生時代のおさらいです(^^)周期表を見ると、縦横綺麗に並んでいますね。この縦列に並んでいる元素は電子の配列が似ている為、似たような性質を持っています。また原則、原子番号の数字が大きいほど、大きくて重い原子になります。

 宇宙はビックバンから始まった

今から138億年前、宇宙は存在していませんでした。この宇宙に存在する全ての物質は、様々な原子によって構成されています。原子の材料である陽子、中性子、電子はビックバンによって生まれ、爆発のエネルギーにより四方八方に飛び散りました。飛び散った陽子、中性子、電子は形を変え、恒星(燃えている星)や惑星(燃えていない星)になりました。ビックバンの爆発は凄まじく、宇宙は今でも広がり続けています。

ビックバン理論は何故生まれたのか?

ビックバンの存在は、1929年にアメリカの天文学者エドウィン・ハッブルが発表した「ハッブルの法則」により明らかになりました。ある日、遠くの宇宙を観測していたハッブルは、遠くにある銀河ほど、速く遠ざかっている事を発見しました。

膨張する前と後の宇宙の図

膨張する前と後の宇宙の図

例えば、風船にいくつか印を付けて膨らますと、印どうしは膨らむにつれて離れて行きますよね?それと同じで、宇宙が膨張しているからこそ、遠くにある銀河ほど、どんどん速く離れて行きます。

そうすると宇宙が膨張しているという事は、過去には銀河どうしは、もっと近くにあった事になり、さらに過去に遡ると、宇宙の始まりは一点から始まったという結論になります。
つまり、ビックバンという概念は、ハッブルが宇宙の膨張を発見したことにより生まれた宇宙理論です。

今から約138億年前、ビックバンにより宇宙は生まれました。ビックバンの爆発が起きてから3分間。この宇宙に物質が生まれるための、重要な出来事が起こります。ビックバンで超高温になって生まれた宇宙は、急激に膨張し広がり冷えていきました。まずは、宇宙の歴史について、時系列で追ってみましょう。

 その1:ビックバン発生、宇宙の誕生

ビックバンが起きた時、宇宙の大きさは1センチ程度でした。温度は100兆X100兆度です。数え方は1穣(いちじょう)。10の28乗で、数の単位は、兆(ちょう)から、京(けい)、垓( がい)、禾予(じょ)、そして穣(じょう)です。もう訳わからん(笑)

①まず、ビックバン発生により、原子の材用であるクォークが生成されます。
②次に、クォークどうしを繋げるための材料、グルーオンが生成されます(10の44乗秒後)。
③そして、宇宙は急激に膨張を始めます(10の36乗秒後)。
④その後、電子が誕生しました(10の34乗秒後)。

その小さな宇宙の中では6種類のクォークとグルーオン、光子(光の粒子:フォトン)、電子が縦横無尽に飛び交っていました。

 その2:ビックバン発生から1兆分の1秒

ビックバンが起きて1兆分の1秒後、宇宙は一気に千兆度に下がります。これは宇宙が膨張している為、熱エネルギーが分散したからです。この時、陽電子が誕生しました。

陽電子とはマイナスの電荷を持った電子の反粒子の事です。電子に対して、質量とスピンが等しく、電荷の正負の属性が逆の粒子です。陽電子を含め、反粒子はその存在が、非常に不安定な粒子です。陽電子と電子が出会うと、エネルギーを他の粒子に変換する“対消滅”という現象が起き、消滅してしまいます。

消滅すると実際に何が起こるかというと、質量分のエネルギーが、光子となって放出されます。つまり、光が発生します。ちなみに陽電子は、地球上には自然に存在しない粒子です。宇宙には普通に存在しているので、宇宙に於いて電子と陽電子の対消滅は起こっています。つまり、その光は地球から見る事が出来ます。

陽電子は宇宙線の観測で発見されており、ウィルソンの霧箱と呼ばれる、蒸気の凝結作用を利用して荷電粒子の飛跡を検出する装置を使うと、その存在を観測する事が出来ます。

 その3:ビックバン発生から100万分の1秒

ビックバンから100万分の1秒後。温度は10兆度になります。まだこの時点では、原子の基礎となる原子核は存在していません。原子核は陽子や中性子で出来ていますが、さらにその陽子や中性子は、クォークやグルーオンと呼ばれる素粒子によって構成されています。

クォークは電荷、色荷、スピン、質量など様々な性質を持つ素粒子で、グルーオンはクォークどうしを繋ぎとめる素粒子です。グルーオンとは「糊の粒子」という意味で、他にも膠着子(こうちゃくし)とか、糊粒子(のりりゅうし)とも呼ばれています。

何故この時点で、まだ原子核が存在しないかと言いますと、10兆度という超高温で、しかも高密度という環境下では、物質は形を維持する事が出来ないからです。この世界で原子核は存在できず「クォーク・グルーオンプラズマ」というクォークとグルーオンがばらばらになったプラズマ状態として存在します。

 その4:ビックバン発生から10万分の1秒

ビックバンから10万分の1秒には、宇宙は太陽系ほどの大きさまでに膨張しました。温度は1兆度まで下がります。光子(フォトン)が分離し、素粒子(クォーク)はu(アップ)2つとd(ダウン)1つの合計3つのクォークと、それを繋ぎとめるグルーオンで、ハドロンと呼ばれる複合粒子を形成します。この現象をQCD相転移といいます。

さらにハドロンは形を安定させる為に、陽子や中性子になります。ハロドン内のクォークの結びつきは相当強く、現在では高エネルギー内でしか、クォークを観測する事が出来ません。ハドロンの中でのみクォークを観測する事が出来ます。この現象を「クォークの閉じ込め」と呼びます。

 その5:ビックバン発生から0.01秒

ビックバン後0.01秒の宇宙は1000億度。を大量の光子(フォトン)が「光の海」と呼ばれる現象を作りだしていました。ニュートリノや電子が自由に飛び交ってる世界では、光は真っ直ぐ進む事が出来ません。

「光の海」と言っても、私たちが想像する様な「光に満ち溢れた世界」という訳ではありません。宇宙は、不透明で霧がかっている状態でした。

光子と自由荷電粒子が飛び交っている世界では、光子の散乱確率は粒子質量の2乗に反比例します。散乱(光散乱:ひかりさんらん)とは、物質に光が当たった際に、物質が光を吸収と同時に四方八方に放出する現象のことです。電子が電離している宇宙を進む光子は、自由電子との光散乱を激しく受ける事になります。

例えば、太陽は高温の為に、電子が原子から離脱しているプラズマの塊です。太陽中心の核で作られた光子が、ガスが強く発縮された放射層を通り、 太陽表面に抜けるまで十数万年を要します。

初期宇宙はプラズマに満ちていたので、いわば太陽の内部のような状態でした(太陽の中心部は約1.500万度。表面は約6,000度と、初期宇宙に比べると、ずっと温度が低いですが・・・・・)。 「光の海」とは、この状態を例えた言葉です。 光が四方八方に放出されているわけですから、見通しはかなり悪い状態でした。

ちなみに、素粒子が動き回っている様が、スープの動きに似ている事から、この様な素粒子の動きを“素粒子のスープ状態”と呼びます。

 その6:ビックバン発生から1秒

ビックバン後1秒になると、温度は100億度になります。宇宙の大きさは銀河系の100万分の1程度です。この時もまだ宇宙は、素粒子のスープ状態です。

 その7:ビックバン発生から3分

ビックバンから3分。宇宙は10億度まで下がります。ここでようやく陽子と中性子が結合して、水素の原子核が生まれます。その後、核融合が繰り返され、重水素や大半のヘリウムと、わずかなリチウム、ベリリウム原子核が生まれました。原子核と電子は、まだ結合していないので、宇宙はプラズマ状態でした。

なぜ水素やヘリウムの原子核が最初に生まれたかと言いますと、原子核の中で最も構造がシンプルだからです。知っての通り、周期表は元素の重さ順に並んでおり、元素番号が小さい程、軽い原子です。原子は構造が複雑になるにつれて、材料であるクォークや電子の数が増え、重くなっていきます。

 その8:ビックバン発生から10万年

ビックバンから10万年後。宇宙の温度は1万度と、まだまだ高温です。この温度でも、まだまだ熱過ぎるため、原子核は電子と結び付く事が出来ず、宇宙はプラズマ状態です。たとえ結びついたとしても、すぐに分解されてしまうため、宇宙にはまだ原子は存在していません。私たちがイメージする“物質”と呼べるような物が、まだ存在していない時代です。

 その9:ビックバン発生から30万年

ビックバンから30万年経つと、宇宙の温度はようやく3000度まで下がります。大きさは現在の1100分の1ほど。(+)である原子核が、縦横無尽に飛び回っていた電子(-)と結合し、ここでやっと宇宙初の原子「水素」そして「ヘリウム」が生まれます。

水素の原子核と結合した事により、自由に飛び回っていた電子は安定しました。すると、今まで電子にぶつかっていた光子(フォトン)は、障害物である自由電子が無くなったお陰で、光分散を起こす事が無くなり、直進して進む事が可能になりました。おかげで、不透明だった宇宙は透明になり、目視にて観測する事が可能になりました。この現象を「宇宙の晴れ上がり」と呼びます。

 その10:ビックバン発生から1億年

ビックバン発生から1億年経過すると、宇宙の大きさは、現在の100分の1程度にまで膨張しました。この頃の宇宙空間は、初期宇宙の頃と比べてだいぶ大きくなりました。そのため、宇宙が膨張するにつれ、原子の層にもムラが出来始めました。すると、重力の強い場所に水素原子が集まり恒星(こうせい)が生まれました。恒星とは自ら燃えている星の事です。

宇宙空間の冷たいガスが集まり増加すると、恒星は自らの重力で収縮します。重力は周りの物質を引き寄せます。それらの物質は超音速で恒星に落ちて行き、その衝撃波により熱が生まれます。次第に温度が上がっていき、中心部が1500万度、水の160倍もの高密度になった時点で、恒星は核融合を始めます。

恒星は質量が重いほど寿命が短く、早めに超新星(恒星が爆発する事)を起こします。超新星爆発を起こす際、恒星は超高温になります。その結果、爆発間際に、恒星では合成できなかった重元素を合成出来るようになります。鉄より重い元素は、この超新星によって合成されます。

ですから、第一世代の恒星は、その内部に重元素を持っていませんでした。太陽は第一世代の恒星が、超新星爆発を起こした後の、残骸から生まれた第二世代の恒星です。そのため太陽は、その内部に重元素を持っています。

 その11:それ以降の大まかな宇宙史

①ビッグバンから8億年頃には、私たちの住む銀河の8倍もの質量を持った銀河も誕生しました。
②10億年頃にはブラックホールが誕生します。
③50億年頃に私たちの銀河系(天の川)が生まれます。
③ビックバンから92億年(今から46億年前)。ここでようやく太陽が誕生します。

今現在の宇宙空間の温度はマイナス270.42度です。温度の最低値とされる絶対零度はマイナス273.15度ですから、絶対零度から2.73度だけ高い温度です。宇宙は今も膨張し続けていますので、温度はこれからも、絶対零度に向けて下がり続けます。

科学的な側面を知ることで、より神秘的になる

パワーストーンと聞くと、神秘的でスピリチュアルなイメージが強く、科学的な見方をしてしまうと、そのイメージが薄れてしまいそうで、ついその視点を敬遠しがちになります 。しかし、どうでしょう?

「パワーストーンは鉱物。その歴史は138億年前の宇宙の誕生より始まった。」

これって、物凄く神秘的でワクワクしてきませんか?けっきょく人間は、科学でもスピリチュアルでも、未知なるものにワクワクする物です。入口は沢山あります。多くの人にパワーストーンの魅力について知って頂く事がKストーンの願いであり、大きな喜びです。

こちらの記事もお勧めです。
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